コンサート会場で演奏されるクラシック音楽の出現以前には、祝祭の音楽、食事の音楽、睡眠の音楽など、作曲家は具体的な目的に合わせて音楽を作っていました。このプロジェクトでも音楽環境創造科の音楽・音響作品を制作するゼミの学生19名が、各環境に合わせた音を作るという目的の下に1Fエントランス、5Fパウダールーム、坪庭・レストスペースから開店・閉店、チャイムに至るまで音楽のスタイルや楽器編成を自由な発想で作曲しました。有楽町マルイでは、全館を包むフロアBGMには既成のBGMが採用されています。これは施設を大樹に例えるなら樹木全体に生い茂る葉であり、それに対する私たちのオリジナル音楽は、 * エントランス―大地と接する根本の部分 * レストスペース&坪庭―高く伸びる幹 * パウダルーム&トイレ―鳥たちが羽を休める枝 と考え、音楽のスタイルや音質がメインBGMと共生しながらも、異なる質感になるように制作しました。また、開店・閉店の音楽は朝と夜という時間を象徴し、チャイムは木の葉から漏れる光、あるいは枝や風による一瞬のざわめきを表現したいと思いました。デモの段階で公聴会を開き、お客様の声を伺いながら完成した音楽の数々にご期待ください。 |
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