インタビュー

vol.3

内田真礼さん(平倉まり役)

『猫がくれたまぁるいしあわせ』に携わる方々へインタビュー!

今回は、主人公・平倉まり役の内田真礼さんが登場です。自分より年上のキャラクターを演じることになった内田さんがどのように役作りをしたかを追いかけていくと、その「考え方」や「自分らしさの見つけ方」にまで話は広がりました。

年上だけれど、私とまりさんには「似ているところがあります」

──まずは、平倉まりのキャラクターをいかに内田さんがつかんでいったのかを、ぜひ聞かせてください。

内田真礼(以下、内田):アニメでは10代のキャラクターが多いので、30歳の女性を演じる機会が珍しくて。しかも自分よりも年上のキャラクターは少ないので、とてもうれしかったです。

私も世代としては近くにいるのですが、このくらいの年齢って、大人にもなりきれず、かといって先輩にもなってきちゃったし、でもまだまだ自分としてはしっかりしている自覚もないし……みたいな立ち位置というか。その気持ちがとっかかりになって、すごく共感できるキャラクターでしたから、お芝居はしやすかったですね。

仕事や日常でなんとなくつまずいたりして、でも「小さな幸せ」が何かあって、それでなんとか日々をやりくりして……という気持ちを、聞いてくださった方にも自分のことのように感じてもらえたらいいなと思って、芝居をつくっていきました。

監督や音響監督からは、「年齢相応で、あまり子どもっぽくはならないようにしたい。けれど、キャラクターのおちゃめな部分は出していきたい」と要望をいただいたので、アニメーションだけれど、ちゃんと大人にも聞こえるお芝居にしたいと意識しました。実際に映像と合わせてみると、意識した年齢感は出ていたかな。出来上がりを見て、ホッとしました。

──役柄に共感できたポイントはありますか?

内田:まりさんって、おっちょこちょいで、一筋縄ではいかなくて、しかも顔に出ちゃうタイプ。私も素直な気持ちが隠せないので、まりさんを見ていると私に似ているなって。嫌なことがあったときにも笑顔で大人の対応ができたらいいんだけれど、そういうことをできないときもあるから。そこは、私の共感ポイントだったと思います。

私には「会社で働く」という経験がないので、まりさんのいる世界はフィクションに近いけれど、実際に周りの方々の声を聞いてみたりすると、自分も似たような体験はしていたんですね。仕事編で後輩に「先輩!」って言われるシーンなら、所属事務所に後輩が入ってきて「先輩!」って言われたときと一緒なのかな、とか。そのあたりをイメージしながら演じました。

──今回だと恋愛編でまりさんが服をベッドに並べて悩んでいて、妹たちからツッコまれるようなシーンもありましたね。内田さんも同じような経験はありますか?

内田:わかります!服をおうちでわーって選ぶときって、あんなふうになります。どれを着ても正解じゃない気がするんですよね。どうもしっくりこなくて着ては脱ぎ、着ては脱ぎ……積まれた服を横目に出かけて、「あーあ、これ、帰ってきたときどうするんだろう」なんて思うんですけれど……やめられないんですよね。

──それは、まさにららとるるがいてほしくなるような。

内田:あれはやりがちですよー、女子は。女の子の部屋なんていつもあんな感じで、心の中と一緒です。いつもざわめいていて、わちゃーってなっていたり。だから、部屋がきれいになっているときは心も落ち着いているみたいな(笑)。

演じる役に「私から寄っていく」タイプだからこそ……

──役作りには、具体的なイメージやシーンをヒントにしている印象を受けました。

内田:そうですね。自分の中から似たようなシチュエーションや経験を引き出してきて、役に乗せていくことはよくあります。まりさんが家で切なく悩んでいるシーンなら、自分も家でじーっと悩んでいたときのことを思い出したり。

演じる役に私は「寄っていく」タイプなので、結果的に役が自分らしくなっていくんです。たとえば、役が「黄色いものが好き」だったら、私も黄色いアイテムを持つようになっている。そういうふうに引っ張り、引っ張られて、「私の演じる役」が形作られていきます。だから、舞台で演じているような感覚に近いのかなと思います。

──まりさんの声が生き生きと自然な感じに聞こえるのは、内田さんがまさに「日常のように演じていること」が大きく働いているのだろうと思えますね。

内田:今回のCMでは演者が別々に収録したのですが、もし、みんなでこの作品を一斉に演じていたら、現場でも私はまりみたいに接していただろうなって。キャラによって現場での立ち振る舞いも変わるんですよ。少しずつキャラクターのエッセンスを普段の行動にも入れると、なんとなくお芝居しやすいなって、私は思っています。

──「まりに自分が寄っていく」ということでいえば、今回のCMではまりが「小さな幸せ」を見つけて、気持ちが変わるというシーンがありますね。内田さんにとっての「小さな幸せ」は、どんなことが浮かびますか?

内田:お花が好きで、よく買って帰るんですけど、この前偶然入ったお花屋さんで、ものすごくきれいなのを見つけて束で買って、「早く生けたいな」と帰り道を歩いているときは幸せを感じました。

──花が家にあると、不思議と心も華やかになりますね。どんなものを選ぶことが多いですか?

内田:季節でも変えますし、見た目がすてきなものだけでなく、私が「こうしたいな」って思っていることを表してくれる花言葉で選んだりもします。見た目がステキでも花言葉がマイナスなものは避けたりとか。お店で花言葉ブックを眺めながら買うこともあります。

──花言葉からもプラスの気持ちを得ているんですね。気持ちを上げてくれるものというと他にもありますか?

内田:自分の気に入ったものでテンションを上げたりはしますね。「これが自分のお守りになるかもしれない」というものを見つけると、大事に持ち歩いたりしています。

──「お守りになる」とはどういう気持ちなんでしょうか?

内田:歯医者さんで緊張していて「怖いよー、ドリルがキュイーン!ってなるのイヤだよー」というときに握ってみたりとか(笑)。オーディションの前に「よし頑張ろう!」と仲間みたいに勇気をくれるアイテムとして持っておきたいとか。

それは中学生の頃から変わっていなくて、それこそ歯医者に行くにも小さなアクセサリーを買って、それをつけてから挑んでましたね。たぶんネックレスか何かだったと思うんですけれど、お守りを握りながら「うー……」って治療を受けるみたいな。

だから、お守りっていうのは、不安になったり、ネガティブになったりしそうなときに、それを見て助けてもらえるもの、ですかね。そうやってモノに思いを込めて大切に持っていると、なんとなく気持ちが楽になったりするなって思っています。

「内田真礼らしく」いるために必要なもの

──CMのキャッチコピーは「四角い世界をまぁるいミカタに」です。「ミカタ」には「視点を変える」と「自分の味方」の2つの意味が込められていますが、どちらかの意味によって内田さんの日々に変化があったという経験があればお聞きしたいです。

内田:視点の切り替えでいうと、私は割とポジティブなので、「嫌だな、あーあ……」って思うようなことがあっても、切り替える行動をしようと思っていて。基本的には受け入れて楽しい気持ちで何事もやりたいんですね。どうしてもあらがえないものだってありますけれど、できるものに関しては。

たとえば、小さなことですけど「食器洗いをやりたくないなー」って思うときは、「でも、朝起きて、この食器が片付いてたらめっちゃ気持ちいいじゃん!」と切り替えて手を動かすんです。

──「ポジティブな気持ちの明日」から見たら、いま現在の心境も変わるということでしょうか?

内田:そうそう。自分のことに関しては、そうやって良いほうに考えて物事を進めたりしています。私って意外と小心者だから、みんながどう思っているかなとか、こうしたらどうかなとかは、つい気になってしまうんですけれど……。

──「視点は明るいほうを見るようにする」というところですね。「自分の味方」についてはいかがですか?たとえば、それがあることで自分らしくいられるものはありますか?

内田:そうですね。モノでいうと、断捨離をよくするんです。一度空っぽにして、そこへ新しいものを入れて吸収するのが好き。

少しずつ手放しながら、新しいことを自分の中に入れていくけれど、意外と「ずっと好きだったもの」が残っていくんです。それが洗練されて、深まっていっていくからこそ、一つひとつが輝いていくんですね。

たとえば、私にとっては「野球」や「アメリカ文化」もそう。最近はエルヴィス・プレスリーの曲をよく聴いていたんですけれど、先日開催した代々木(競技場第一体育館)のライブでも、プレスリーを入場曲として流したり、ライブセットも50'sっぽくしたり、新しいアルバムをつくるときのテーマにも近かったり。

──音楽も内田さんらしくいられるための要素なんでしょうか?

内田:好きな音楽があると落ち着きますね。家でも朝起きたらまず音楽をつけて、移動するときも音楽を聴いていて。その時間が、なんとなく仕事とプライベートを分ける大事なものになっていますね。音楽を聴くと、それに触れていたときの気持ちも思い出せますから。

たとえば、参加している作品にまつわるライブがあって、そのときに歌った曲を今聴くと、当時のことを思い出して気持ちがリセットされ、あの日の気持ちに戻って頑張れたりするんですよね。それも私が音楽を大事にしている理由かもしれません。

──ライブでステージに立っているときの光景が思い浮かぶんですか?

内田:けっこう細かく覚えていますよ。「あの公演でめちゃめちゃ左のほうでサイリウムが激しく振られていたな」とか、歌い終わって裏に入ったときに倒れるように座り込んだなとか……私個人のライブでも、最後に「せーの!」でジャンプして締めるみたいな曲があります。その曲を自分のCDで聴いていてもライブバージョンじゃないから、なんかちょっと物足りなかったり(笑)。

そのときのことを思い浮かべてしまう、情景が浮かぶ曲だとテンションも上がります。それが自分の味方で、すごく大切なものになってくれている、自分を守ってくれているなって思います。

内田真礼らしさは「フラットで、裏がなく、前を向いている感じ!」

──「自分を守ってくれる」ものを大切にする内田さんにとって「自分らしさ」とは何だと思いますか?

内田:フラットであること。声のことでいえば、裏がなく、前を向いている感じが私らしさかな。いつ、どんなときに見ても、表側と裏側があるわけではなくて、とにかくまっすぐストレートな感じが、「私らしい」声であり、音であり、存在であると思います。そのあたりがファンの皆さんとも、「内田真礼らしいよね」って感じてもらえているといいですね。

私のライブに来てもらったときには、幸せになって帰ってくれたらいいなって。もしかしたら、突拍子もないことはないのかもしれないんだけれど、内田真礼のライブに来ると幸せだよねって思ってもらえるようなところになれたらいいな、と思っています。

一方で、ストレートであることで、自分は結構生き急いでいるなーって感じることもあって(笑)。

──どんなときにそう思いますか?

内田:私は「今できることはすべて今日のうちにやりたい」っていうタイプ。仕事が1時間早く終わったら「マッサージに行こう!」「病院に行っておこう!」みたいに、とにかく動いて、予定を詰めまくっているのが好き。休みの日も朝早くから予定を入れて、夜までずっと動き続けているんです。

ネイルや美容院、整体とかの「行った日」を全部スケジュール帳に書いておいて、「次に行く日」も自分の中では決めておきます。そうやって「自分スケジュール」みたいなのを常に頭に描いて、それをひとつずつ更新していくのが好きなんですね。

「今年は海へ行こう」「全国の球場で野球を見よう」とか、ひとつずつの小さな夢を叶えていく他に、人生の夢みたいなものもあって、それもスケジュール帳に書いておきます。書くのが好きなんですよね。目標が見えていたほうが自分としてもわかりやすくて。やっぱり、自分の人生で楽しいと思えることはすべてしたいですから!

──スケジュール以外に、アイデアや思いつきも書きますか?

内田:書きますよ。ライブのセットリストや演出、思いついた歌詞……頭に浮かんだものは全部iPhoneのメモ帳にバーッ!と書くのは、それをどこかで誰かに伝えられるようにしたいからです。アイデアや希望は世に出すようにしていますし、有言実行が大事だと思っています。

「自分にはやる気があるよ」「こうしたいんだよ」って人に伝えないと通じていきませんから、自分の発信する力で周りを巻き込むくらいの気持ちがある方がいいのかな。「こうしてよ」じゃなくて、「こうしたいんだ!」という気持ちを伝えることが大切かなって思っています。

仕事をしていて嫌だなと思うことがあったとしても、伝えて変わっていく中で幸せや楽しみを感じられるようになると、その人たちと一緒にいることがより幸せになって、目線が広がっていくんです。私も周りの人や近しい人たちを大切に、そういうふうに関係を広げていっている感じがします。だから、自分の意見や意思をしっかり持つことはおすすめです。

周りの意見に流されてしまって前に進めなくなるよりは、自分が信じたものに進んでいく方が幸せだと思っています。それって、自分の思い描いている未来へ進んでいるということだから。

──今回はまりさんが年上でしたが、内田さんの30歳もますます楽しみです。

内田:30歳になったときには、さらなる目標ができているはずです。今の自分を「24歳の私」は思い描けていなかったし、こんなふうになっているなんて。この3年ですごく変わったなと感じるからこそ、30歳になったときが楽しみですね。

──お時間をいただき、今日はありがとうございました!

キャンペーン情報

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