
実際にランニングを始めてみて気になるのが、効果的な食事法。いつ何を食べたり飲んだりするのが効果的なのか?レースに向けたトレーニング中は何を意識して摂取すればいいのか?市橋有里さんと橋本玲子さんに、知っておくといい食事方法、栄養面で気をつけるところなどを聞いてみました。
![]()
1977年11月22日生まれ。徳島県鳴門市出身。中学卒業後の1993年に上京。「トップレベルの長距離ランナー育成」を目的に陸連主導で誕生したクラブチーム・東京ランナーズ倶楽部で、浜田安則コーチに師事し、本格的トレーニングを開始。99年、世界選手権セビリア大会で銀メダルを獲得。世界大会のマラソン種目では、史上最年少のメダリストとなった。趣味は、旅行先での美味しいもの・食材探し。料理の腕前は創作和食やカフェ飯風なものまで、独自のセンスが光る。
決まりは別にないですが、できれば食事は走った後の方がいいですね。食事した後に走るとお腹が痛くなることが多いので。もしレース前に食べるとしたら、3〜4時間前に食事を済ませること。直前で食べるとしたらチョコレートや飴がいいです。
こまめに水分をとること。回数はそこまで気にする必要はないですが、喉が渇く前にとるというのがポイント。300mlや150mlのペットボトルを持って走れる人は持った方がいいと思います。走る前までにこまめに、常にとっておくことが大切です。
軟水の方がいいですね。硬水だとお腹が緩くなったりするので。あと常温がベストです。清涼飲料水の場合は、できるだけ甘さが強すぎないものがいいです。甘さが強いと、逆に喉が渇いてしまうので。アミノ酸系の飲料水がおすすめです。
4. ランニングを始めるにあたって、意識してとりたい栄養素は?
鉄分、カルシウム、ミネラルです。それと走ったら筋肉を使うので、タンパク質による栄養補給が大事。おすすめ食材はビタミンB群が豊富な豚肉、鉄分が豊富なレバー、大豆、ひじきです。甘いものでいうと鉄分が豊富なプルーンですね。
サポートという意味ではいいですが、頼り過ぎない方がベスト。補う形で摂取するのがいいと思います。私自身、現役の時にはサプリメントでビタミンB群や、貧血予防のために鉄剤をとって補給していたのですが、今は食事からとるようにしています。
ビタミンB群の多い食事と糖質補給が大切。あと食事のタイミングも重要で、走り終わったらできるだけすばやく食べることが重要です。ゼリーやドリンクでも大丈夫。より早く回復させるために、走る前に食事の準備をすることをおすすめします。
長く走るためには炭水化物が必要ですが、脂肪もある程度必要です。脂肪がないと最後までもちません。脂肪を敬遠するのではなく、良質な脂肪をとることが大事です。パスタや魚介類からグリコーゲンをとることもおすすめ。
朝昼をしっかり食べること。夜にたくさん食べたい時は野菜をたくさんとることです。お酒も少々でしたら大丈夫です。あと代謝を上げるために筋力アップも欠かせません。筋肉を鍛えると脂肪が燃えやすい体になりますから。
水溶性のビタミンA・B・Eをとることです。血行が促進されるので。豚肉やナッツ類、ウナギなどを積極的にとると冷え性も改善されると思います。あと食事法ではないですが、意識して姿勢を正すことも大事。結構筋肉を使いますよ。
脂肪を燃やすのを手助けしてくれるビタミンB2です。豚肉や大豆に多く含まれています。あとは辛いもので代謝を上げたり、甘酢などを使うと、代謝も上げられるし、疲労回復にもなります。料理ですと、酢豚や餃子がおすすめです。
1. ランニングとダイエットの両方を効率的にする食事法とは?
ランニングの後にすぐ食事をして糖分をとることですね。それと自分に合ったものを見つけること。鉄分をとりたくてもレバーが苦手だったら別の食材を見つければいいんです。経験をして、自分に合った食材を見つけることが大切。
まずは基礎代謝から計算して、自分が必要としているエネルギー量をきちんと把握することです。栄養のバランスでいったら、炭水化物が6で、タンパク質が3、脂質が1くらいの割合で栄養摂取することが理想ですね。
レース前だけはお腹を緩くする繊維質を控えめに。そしてカーボローディングでエネルギーになる炭水化物を多めにとること。3日ぐらい前から炭水化物の摂取量を1.2〜1.5倍ぐらいに増やすと、長距離走には欠かせないグリコーゲンを効率よく蓄えられます。
4. レースの当日はいつ、どのようなものを食べたらいいでしょうか?
開始3〜4時間前ぐらいにご飯やお餅、パン、カステラなどの炭水化物を多めにとる。直前には飴やゼリーがいいですね。市民ランナーの方で4時間以上走る場合は、お腹が痛くならない程度にちょこちょこ食べておいた方がいいです。
5. トレーニング中の食事プログラムはどのように組みますか?
トレーニング中は筋肉を使うので、炭水化物以上にタンパク質、鉄分、カルシウムの摂取を意識すること。カルシウム不足は痙攣をまねきます。食事の回数ですが、通常通り3回がいいと思います。食べることによって胃にも負担がかかるので。
走ると汗で鉄分が流れたり、筋肉を作る時に鉄分が使われます。予防を効果的にするには、鉄分と一緒に吸収を助けてくれるビタミンCをとること。あと植物性鉄分より、カキや貝類、卵などに含まれる動物性鉄分の方が吸収率が高いので効果的です。
まず特定の食材にとらわれなくなるために栄養素に興味を持つこと。それからいろいろ試してみて自分に合った食べ方を見つけることが一番です。そして体に正直に、その時食べたいものを食べる。自分の体の声を聞くということが大切なんです。